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ひとしずく

シンプルな暮らし 日々の小さな「ひとしずく」をつづります。

物より思い出

大好きな祖母が亡くなって11年。その葬儀のときの話です。


祖母にとっては長男にあたる伯父が、喪主をつとめました。

葬儀の準備の最中、進行をつとめる女性から「お母様との思い出のエピソードなどありましたら、聞かせて頂けますか?」と、伯父が訊ねられていました。

伯父はしばらく考えると、「寒い冬の夜に、ボロボロに穴のあいた自分の靴下を、繕い直してくれていた、母親の姿が思い出されます・・」と・・。

そう言い切るや・・背中を丸めて嗚咽し始めました。


美しい話だと、傍で聞いていて胸がいっぱいになりました。



戦後間もない田舎です。少々ボロになったって、靴下はおろか、下着だって棄てたりしません。


伯父にとっては、真新しい靴下を買ってもらったことよりも、ボロの靴下を繕ってくれる母の温かさの方が、よっぽど心に残っていたのでしょう。




「物より思い出」という言葉を耳にします。

確かに形あるものは、大切にしているつもりでも、壊れたり、無くなったりすることがあります。


でも、その物にある「背景」は・・心に刻むことができます。

心の中なら、壊れることも、無くなることもありません。うっかりしまい込んで、ホコリをかぶることも・・。

いつ取り出しても、鮮やかに、その当時の「ぬくもり」を、甦らせることができます。



私も母になり6年。
まだまだ幼い子供たちは「オモチャ!オモチャ!」の物質主義ですが(笑)。成長と共に・・、物の裏にある「人の想い」や「背景」に気付いていける大人になってほしい・・。

そう思っています。


今日の「ひとしずく」、このへんで・・




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