ひとしずく

シンプルな暮らし 日々の小さな「ひとしずく」をつづります。

おなじお墓に入りたい・・

 

介護職をしていた頃に、担当させて頂いたご夫婦のお話。

 

ご主人は末期癌で療養中。ご家族は、献身的に介護されていました。

数ヶ月後、優しい家族に看取られながら、ご主人は旅立たれました。

 

1ヶ月くらいしてから、私は御悔やみのご挨拶のため、ご自宅を訪問しました。

 

奥さまは、憔悴しきっていました。

 

闘病中には伺ったことのない、在りし日のご主人の姿を伺い、妻子を大切にする、心優しいご主人であったことを、知りました。

 

「数日前に納骨したんだけれど、夫のお骨が納められるのを見ていると、あぁ・・私も早くあの隣へ入りたい・・そう思えて・・」

と、言うや、奥さまは泣き崩れてしまいました。

 

 

「私も、あの隣へ、入りたい」

という言葉が、当時新婚だった私の胸に、やたらと響いたのを覚えています。

すごいなあ・・と。

 

今や葬儀も納骨も、従来のやり方に囚われない、新しいスタイルがどんどん発信されています。

そんな中、「おなじお墓に入りたい」なんて言葉は、20~30年後には、死語になるかもしれません。

 

夫婦は赤の他人。紙一枚の契約です。

お互いに一緒にいるのが苦痛になれば、解消することもできます。

 

そんな時代にあって、「骨になっても、あたのそばに寄り添っていたい」と思う奥さまの気持ちが、良い意味で「人間らしく」て、お二人の、強い魂の結び付きを感じてしまうのでした。

 

 

人間は「感情の生き物」。

身体という高性能なアンテナで、様々なことを経験し、様々な感情を獲得できる、唯一無二な生き物と、言われています。

 

形式的なことは、時代の流れの中で変わっていっても、「死後も共に」という、実に人間的思想や感情は、変わることはない・・そうな風に思えて、いつまでも忘れることができない、エピソードなのです。

 


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